海外居住者の終活

アラ60、海外居住でこの先どうやって生きようか

ベトナムでの現地採用生活

9月2日はベトナム建国記念日で、年内最後の祭日となります。

ベトナムは日本に比べて圧倒的に祝祭日が少ない国です。

祝祭日名称(日本語) 祝祭日名称(現地語など)
1月1日 新年 New Year's Day
1月末か2月頭

テト(旧正月) *1

Lunar New Year Holidays
4月29日 雄(フン)王記念日 Hung Kings Commemorations Day
4月30日 南部統一記念日 *2 Victory Day
5月1日 メーデー International Labour Day
9月2日 建国記念日 *3 National Day

日本に比べ圧倒的に少ないかと。これしかないです。

更に工場勤務のベトナムの方は、ほぼ祝日とは無縁。週1日休暇で、これに残業まで入る過酷な環境です。安い労働力=そこで働く方の犠牲によって成り立っています。

 

さて、話は戻りますが私は各国で駐在員ではなく現地採用で働いてきました。

ベトナム現地採用との比較で、各国で働いた環境と比較してみます。

◆アメリカでの現地採用(1990年代)

アメリカは日本のバブル崩壊とともにバックパッカーとして渡米。

アルバイトしてた時に知り合った、インド系アメリカ人に拾われ現地採用

”初任給200USD月(日本円で3万円月)+家+車+食事付き”

当時のアメリカの最低金銀以下ですが、食べ物、住む場所と労働VISAが欲しかったから飛びつき。

アメリカでは、アメリカ人も外国人も平等な労働条件。グルーバル企業が多く私もグローバル企業で働いていたので、当時見ていた日本、韓国、インドのアジアリージョンとのやり取りでは、お互いが現地の時間を調整しながらで、勤務時間帯は不規則な状態でした。

その後、インド・韓国ではアメリカ本社からの駐在で待遇は良かったと思います。

ただし、赴任先では現地の労働条件と平等。

◆中国での現地採用(2000年代)

当時勤めていたインド系アメリカ人会長のサポートを受けて、日本で起業。

日本の商習慣に馴染めず、当時取引のあった日本の会社の中国市場参入の為にコンサルタントとして中国現地入り。ここでは、業務依頼をしていた会社の日本国内の業績不振に伴い、コンサルティング費用が滞ることに。仕方なく、中国事業拡大と日本本社の建て直しのために、自分の会社は当時の役員に全て預け中国での現地採用。

ここから、現地採用の不平等差が少しずつ見えてきた。

  駐在員 現地採用者
労働契約 無限契約 1年契約の更新
給与

日本法人での給与体系。赴任手当付与

現地での給与体系
社会保険

日本での社会保険と現地での社会保険費用を会社で負担

自己負担
住居 高級マンション会社負担 自己負担
語学 終業時間中に語学学校の学費負担 休日で自己負担なし
通勤 専用の車を会社で手配 電車、バスや自転車で通勤
家族手当

赴任手当に家族同行手当付与。子供がいる場合には学費全学会社負担

なし

私の場合には、成功報酬で最初の半年はほぼ無給。

中国の場合もアメリカと同様に、現地中国人従業員と日本人現地採用者の労働条件は同じ。現地採用は中国人従業員に比べて平均給与は高いが、現地採用者は専門職及管理職となるため、同列のタイトルであれば給与ほぼ同じ条件。

一部の駐在員を除き、大半の駐在員は危機感もなく仕事もせずブラブラしている存在。

◆ベトナムでの現地採用(2010年以降)

中国での事業も拡大成功を収め、日本本社も業績回復で上場へ。

中国での従業員が増え、プロセス整備も終わり、中国人マネージが良いと判断し、当時中国人で経営を任せさせられる人が育った事もあり、次の刺激を求めて発展途上のベトナムへ。

ベトナムでは、中国での駐在員と現地採用と状況は同じだが、中国以上に現地採用の外国人に対する待遇が悪い状況。これから発展する中で改善を期待。

1.労働条件

ベトナム人従業員は3年目からは無限契約、それに対して現地採用者は1年契約の更新。結果3年目まではベトナム人従業員は安定を求めて働くが、それ以降は人によっては生産性が極端に落ちる状況。ベトナム人労働者が守られている国であり、簡単に解雇はできない環境。現地採用者は結果を毎年求められ、更に会社の業績が悪くなれば結果とは別に1年で契約を簡単に解除される状況。

2.給与

ベトナムではマネージメント層が少なくベトナム人の給与は高い。それに対して現地採用者は専門性と管理能力を持っていてもベトナム人従業員よりは低くなる。また、現地採用者は社会保険を払っても、日本でもベトナムでも社会保障はない

3.労働環境

ベトナム人労働者は労働法に守られ勤務。グローバル環境の理解が薄い日本企業では、日本の労働法・ベトナムでの労働法にも守られていいない現地採用者は、日本の時間とベトナムの時間で働き日本の稼働日はベトナムが祝日であっても働く状況で、ほぼ休みなし。朝4時に起きて、会社に出て6時からの会議は日常茶飯事。

4.言葉と人間性

英語と中国語は現地で住んでいる中で自然に頭に入り、学校に行かなくても習得はできたが、ベトナム語は何故か馴染めなく10年経っても全く頭に入ってこない。ほぼ諦め

自分が何ができるか何をやったかではなく、いつも誰かと比較での話してくる事にも日々精神的なストレスが多い。

5.生活環境

ある程度の収入があれば小さな子供を育てるには、いい環境。年中温暖で自由奔放な気質。世界を見てもらうために、中高になったら子供は留学はさせるつもりだが。

まとめ

これから、日本を出て海外で就業を考えてる方は駐在員待遇での赴任できる企業を探された方を勧めます。お金と時間が有り余って遊び過ぎて破産しない程度で。

駐在員に対して現地採用者は、赴任期間の定めがなく、自分の意志で現地でいつまでも滞在できるメリットは大きいです。私の場合には、日本に帰る気が無いから現地採用を選択しています。

精神的安定、高い収入と平等性を求める場合には、既に整備されているアメリカ、中国、ヨーロッパなどを選ぶ事をお勧めします。刺激やチャレンジが好きな方は、これから発展余地がある国を選ぶか、現在将来含めて自己責任で。私の様に日本に親族がいない人は、失敗したら野垂れ死も覚悟。日本に住んでても同じですが。

 

*1.テト(旧正月)

 毎年前年末の12月に発表。旧暦で、大晦日、元旦、3が日の大体4日。年によって異なります

*2.南部統一記念日

 ベトナム戦争において、北部が勝利し外国貿易などで栄えていた南部を統合した日。今のベトナムの首都は勝戦地区の北のハノイとなります。国の枠組みから外れている、私は発信発言はここではしませんが、歴史に興味のある方は、南部統一記念日と建国記念日を見てもらえれば